今日は美術館のお話。 ””場所ガチャ”” と言う物言いがあるならば、完全にその場所は、ガチャにハズレていると思われる栃木県内にある美術館のお話をしたいと思います。(作品のネタバレおおめです。)
隈研吾氏はご存じですか??。
日本人なら誰しもが知っているであろう超フェイマスな日本の建築家になります。オリンピック会場になった東京国立競技場や、最近オープンした高輪ゲートウェイ駅など、日本を代表する建築物の設計を手がける、超一流の建築士です。
我が栃木県にも彼の手がけた建築物が結構点在しています。今回紹介する美術館もその内の一つになります。
この美術館。兎に角交通のアクセスが激悪‥‥‥。兎に角最悪です。恐らく、自動車以外での公共交通機関でのアクセスはかなりキツい感じがします‥‥。最寄りの高速道路のインターチェンジと言える様な場所も無く、最も近い東北自動車道のインターチェンジからも、常磐自動車道のインターチェンジからも一時間近くも掛かるという、かつ、最寄りの駅などもはや存在しない様な場所にある、もはや ”場所ガチャ” に完全敗北した様な、正に秘境の様な所にひっそりと佇む美術館になります。
ただ、ただですね、個人的には最高にお勧め出来る様な美術館でして、もしこの美術館が東京の一等地にあれば、連日大勢の人で賑わう様な、素晴らしい美術館であるのでは無いかな??と言う事は、素人の自分からしても、十分に感じる事が出来る素敵な美術館だと思っています。こぢんまりしていて、結構穴場で、いつも空いていて、人が多い所が嫌いな自分は大好きです😄。
2000年にオープンして早23年‥‥。オープン当初から、毎年1回位は奥さんや子供と一緒に足を運ぶ(イベント展示があるときが多いですが)美術館になります。
その美術館と言うのが
那珂川馬頭広重美術館 になります。
紛れも無くこの ”広重” とは、江戸時代に活躍した浮世絵師、 ”歌川広重” のことです。
ここで軽い疑問が‥‥。何故栃木出身の人でも無いのに ”歌川広重” かって事です。ゆかりの薄い地域に歌川広重の美術館‥‥。
ザックリとした美術館が建てられた経緯がこちらになります、
平成7年1月の阪神淡路大震災に被災された青木藤作氏のご遺族から、歌川広重の肉筆画を中心とするコレクション寄贈の申し出が馬頭町(現那珂川町)にあったのは、平成8年4月のことでした。
青木藤作氏は、明治3年に栃木県塩谷郡熟田村狭間田(現さくら市)に生まれ、肥料店を佐久山、氏家、西那須野で営み、実業家として成功するかたわら、広重の肉筆画や版画をはじめとする美術品を収集された人です。
ご遺族は、コレクションを一括して所蔵・展示してくれるところへの寄贈を望まれていました。美術館は、この青木コレクションを核とした作品を展示し、町の中核的文化施設、さらに八溝地域の活性化につながる広域的文化施設とすることを目的に設置されました。
地域住民の文化活動の充実と、他の美術館や海外との交流が円滑に図られるようなネットワーク作りを目指しています。
引用:歌川広重美術館ホームページ
常設の展示は主に東海道五十三次で有名な歌川広重氏の浮世絵版画がメインです。東海道五十三次とは、永谷園のふりかけやお茶漬けの中に入っているカードで有名なので、ご存じの方もけっこいらっしゃるかと思います。
この美術館。隈研吾氏の監修の下2000年に建てられました。
出来た当初は本当に真っ黒で綺麗な美術館でした‥‥。が、23年経過した現在は随所に経年劣化の跡が‥‥。
自分、建築についてはズブの素人ですが、少し私見が有ります。隈研吾氏のデザインの特徴として、 ””木材”” を基調にしていることが多いと思います。国立競技場なども、木材がふんだんに使われた建築様式であったはずです。
鉄筋コンクリートよりも木材を基調にした建築物は、日本の気候にも適しているだろうし、何より暖かみがあって、個人的には無垢の木で出来た建物は大好きデス。
ただし、ここは大いにただしです。こんな馬頭の美術館の様に、風雨に常時晒される様な場所に木材を使用するなどと言う選択肢は、設計のプロとしてはどうなんだろう??と正直思ってしまいます。
風雨に晒されない建物の中の構造材や、装飾材として木材を使用するのは大いに理解出来ますが、屋根材の様な部分に木材を剥き出しで使用するなど、素人ながらに少し、理解が出来ない部分が大きくあります‥‥。
案の定、この建物の屋根材の様に、朽ち果てた状態となってしまい、恐らく近い未来に、大規模な修繕や改修を必要とされるのは必然でしょう‥。まぁ建築物も、恒久的な物では無く、常時更新を必要とする的な思想が必要な部分は解らなくは無いですがね‥‥。
ただ、この設計は、少し疑問に思ってしまう物でもあり、これを採用した側にも、もうちょっと違う選択肢は無かったのかな??的な勝手な思いを抱いています‥。まぁあっても言えないでしょうけどね‥‥。維持費が大変だろうなぁと勝手な解釈をしてしまいます。まぁ、資本主義的思考では、永遠の物よりも、修繕が必要な物も必要!!的な意味合いはあると言う大人な事情も、大いに理解出来るのですがね‥‥。
今回、この時期に、この美術館を訪問したいのには訳がありました。この美術館、念に数回、様々な特別展覧を企画します。その特別企画展の内容が是非是非見たい内容であったので、8月下旬から思っていたのですが、ようやく11月になってからの訪問と相成りました。その企画展というのが‥‥‥
こちらの企画展になります。
入江明日香展
ご存じの方いらっしゃいますかね??。
この画風を見て、何か感じた方いらっしゃいますかね‥‥‥??。感じられた方は自分と同じで、ゲーム好きで似たような感性があるかも知れません‥‥。
自分、昔ゲームが大好きでして、その中でもドラクエや、ファイナルファンタジーなどのRPGが特に大好きでした。そのファイナルファンタジーのキャラクターデザインを手がけた ””天野喜孝”” さん。中学生のころ、天野さんのイラスト集を買うほど大好きな画家の一人でした。
FFの音楽でテンションマックスになるのがこちら‥‥。
FF5のビッグブリッジの死闘の超絶ヴァイオリン演奏になります。
天野喜孝さん。FFが有名ですが、タイムボカンやヤッターマンなどの、タツノコプロのシリーズの作画を手がけた人物としても結構有名です。
中々中学生の頃に、そんな好みを持っていた人も少なく、そのイラスト集を中古で譲ってくれた唯一の女子が、似たような好みの持ち主でした。
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その天野さんを彷彿とさせるようなどことなく神秘的なタッチの絵‥‥。そして、今の時代表現は適切では無いと解っていますが、女性の柔らかさがにじみ出ている様な優しい感じの絵‥‥。そんな彼女の特別展を、ここの美術館でやると言うので、開催最終日までには、一度は訪問したいとずっと思っていました。
企画展の開催が、2023年11月12日までなので、ギリギリ滑り込みセーフで、念願叶って企画展を見てくる事ができました🤩。
チケットを買って館内へ‥‥。
入江明日香さんこんな女性です。
ミクストメディアと言う水彩や、油絵などの基本的な作成法に囚われずに、様々な絵画の作画法の融合的な画法で描き上げているみたいです。素人なのでその当たりは詳しくは解らないので、興味がある方は是非、ホームページをご覧になって下さい。
ここの美術館全部の作品が撮影可能なので、遠慮無く作品の写真を撮って来ました。
彼女の絵に対する思いが入り口に掲げてありました。
入り口を進むと最初に目に飛び込んで来る絵は、高さ1.8m位、幅5m程度の大きな屏風に書かれた画。
本当に細部に渡るまで ””圧巻”” でした。
絵の中で ”一本の白い線” がずっと繋がっていて、その線の繋がりを考えられるような、少しメッセージ性も強い感じがして、入って直ぐに一瞬で絵の世界に引き込まれてしまいました。
”和” とも "洋” とも ”中” とも言えない様な作品の数々。
ただ、随所で女性の ”可愛らしさ” 的な物も垣間見え、そんな部分も探すのも面白かったです。
こんな招き猫の落款なんかも、凄くかわいらしいですよね🥰。
正しくこの美術館で開催した真骨頂的な絵画の展示も有りました。東海道五十三次を現代版にアレンジした作品の数々。浮世絵を意識した日本風な彼女の特性が、とても生かされており、とても良かったです。面白い事に、本物が飾ってあり、その隣に併設して飾るという、何ともユニークな展示をされていて、この美術館ならではのコラボ企画の神髄では無いでしょうか??。
普段は、こんなガチの東海道五十三次や浮世絵しか飾られていません‥‥。何度か子供を連れて来た事がありますが、全然喜びませんでした‥‥。
その隣に現代版令和の東海道五十三次が‥‥
所々に歌川さんの作品も展示してあります。も と言っては失礼ですよね(笑)。でも今回の主役は入江さんでしょうから。
終盤にも圧巻の作品が‥‥。企画展のパンフにもなっている作品です。
馬で駆け抜ける一人の女性‥‥。でも絵の中には様々な物が描かれています。全てのメッセージを読み解く事は出来ませんが、”生”や”死”、”時の流れ”などに対する強い思いが伝わって来ました。
細部まで目を凝らして見ると、本当に ”圧巻” と言う感嘆しか思い浮かびません‥‥。また一人令和の天才に出会えた気分になりました。
そこまで混雑して無く、じっくりと館内を見て回れました。本当に大満足だった那珂川馬頭広重美術館でした。
出口付近には今年の3月頃に日本橋高島屋でビジュアル展示されていた作品達も展示してありました。
今度はレギュラー展示の時に来てみましょう。
帰りに売店で作品集を購入!。
美術館を後にしました。子供達にお土産を買って帰る事に。この前購入した宇都宮の情報誌(monmiya)に、馬頭町のお店の情報が載っていたので、美術館の近くにあるみたいだったので、折角なので訪問してみました。美術館からは車で数分の場所。
dessert-restaurant-1784.business.site
千年屋さんでこちらを購入!!。
お昼にはまだ少し早かったのですが、千年屋さんの隣にあったおそば屋さんで蕎麦を食べて帰る事に。
今回はとろろ蕎麦を食べて来ました。天ぷら蕎麦も気になりましたが、カロリーが気になるお年頃‥‥。トッピングはとろろで我慢‥。
この辺りは蕎麦も有名と言う事もあり、美味しかったです。あと、小鉢の刺身こんにゃくも、田舎風でとても美味しかったです。お腹もいっぱい。大満足で家路に着きました。
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お家でお土産に買って来た物を食べてみました。
初見では ””食パン🍞”” に見えるであろうあの物体は、実の所シュークリームになるのです😲。あのフォルムからは想像し難いでしょうが、シュークリームなのです。
6cm角位のキューブ状。丁度ルービックキューブ位の大きさかと思われます。1つ300円(税込みだったなか?)宇都宮よりも、リーズナブルな感じがします。
さてさて、ちょっと情報多めな記事になってしまいましたが、今回のお出かけ記事はここまでになります。入江明日香さんの展示会、
2023年の11月12日までなので、あと数日と、土日が1回だけ残っていますので、もし興味がある方は、現物を見に気合を入れて馬頭まで足を伸ばして見てはいかがでしょうか??。何とか展示会の終了前に書いて見たかったので、長くなりましたが1話にしちゃいました。(もう少し早い時期に行けたら良かったのですが、色々忙しすぎて‥‥。)
東京や京都などの大都市、老舗の百貨店などでも企画展や、個展をやっているみたいなので、興味がある方は彼女をリサーチされて見てはいかがでしょう?。
今回訪問した美術館は、場所ガチャには負けてしまった様な場所ですが、訪れた際にはきっとその苦労に報いるくらいの素敵な美術館だと個人的には思っています。まぁこの辺も私見なので、保証は出来ませんけどね(笑)。
入江明日香さん。結構方々で展示会をされている方みたいなのですが、浮世絵が主体の美術館でのコラボ展示と言う事もあり、凄く良い作品巡りのお出かけになりました!!。
最後まで読んで頂いた方、感謝します!。ではまたです🖐🖐🖐。